日本の職人技術を、モダンデザインで新しくする

わとな総合プロデューサー西堀耕太郎
2017.09.22
    
    
    

今年2月と6月から9月24日まで、わとなはコレド室町3に期間限定ショップとして出店しおります。店頭に並ぶ商品は全て日本の”伝統産業”の技術と”モダンデザイン”とが融合してできた品々。従来の伝統産業では見ることのないデザインは、コレド室町3を訪れた数多くの人々の関心を集めています。

    
    
    

「わとな」ーー伝統産業と日常をつなぐモノづくり

「わとな / WATONA」の総合プロデューサーを担うのは、生まれ育った和歌山県新宮市で市役所勤務を経て、2004年より京都唯一の和傘製造元「日吉屋」の五代目を継いだ西堀耕太郎。現在は、株式会社TCI研究所も務める西堀に、”わとな”についての想いをインタビューしました。

ーーわとなで取り扱っている商品は、日本の職人(伝統産業)と日本国内外の気鋭デザイナーとのコラボレーションが多いですが、西堀さんにとって、伝統産業とはどういったものでしょうか

「伝統産業は、昔からある産業ですよね。しかし、今、伝統産業という言葉は、”日常”から離れてしまっている、という意味も含まれていると思うんです。いつの時代もライフスタイルに合致したもの、使ってもらえるものを提供することが必要だと思っています」

ーーでは、国内外のデザイナーとのコラボレーションについてはどうでしょうか

「私たち”わとな”は、現在活躍されている日本や海外のデザイナーさんとコラボレーションし、現代のライフスタイルに合致した新しい価値を加えています。それは、いま伝統産業にとって必要な”革新”だと思っています」

メゾン・デ・オブジェ展示会 - 2017年 パリ

わとなで出品されている西村友禅彫刻店の西村武志氏の商品は、友禅染めの型を掘る技法を使用したランプシェードやレザー商品。デザイナーはフランス人のÉlodie Stephan氏等がデザインしたもので、その高い日本の技術が新しい形で使用さています。

伝統は”革新”の連続と、その伝承

ーー伝統産業と革新という言葉は相反するように聞こえますが

「伝統産業といえども、その時代時代のニーズに合わせて変化しているはずで、長い歴史の中を現代まで生き残ってきた技術は、”革新”の連続を経てきたホンモノだと思います」

ーーなるほど。和傘製造元「日吉屋」五代目としては

「例えば、和傘は、古代中国での皇帝の頭上にある天蓋(てんがい)や、仏教画に見られるお釈迦様の頭上に掲げる魔除けのようなものが元だと言われています。現在のような”傘=雨傘、日傘“と同じような用途ではなかったわけです。それから長い歴史の中で、その時代に合わせたさまざまな変化があり、みなさんが知っている”傘”になったといわれています。これも、長い歴の中で、用途そのものがニーズに合わせて変化、革新されてきた結果だと思います」

ーーおもしろいですね。伝統へのこだわりがあるものと思っていました

こだわりはもちろんあります。が、そこだけではないと言いますか。極端な話、私共が作っている和傘が100年後、仮に雨傘じゃなくて照明として残っていてもいいと思います。要は、時代にあった”革新”の連続の中でモノの用途が変わっても良くて、肝心なのは、技術の継承やモノづくりに対する情熱だと思います。商品を手に取った人の10人に一人でも、そういった歴史背景や作り手にも興味を持っていただければ嬉しいですね」

”わとな”は、その時代にあった価値を提供できるモノづくりと、安価・量産品にはない、”作り手の息づかい・精神”を伝えていきます。伝統工芸品が、新しいカタチで日常生活に融け込めば、今までにない楽しみが増えると思います。